肩峰下インピンジメント症候群

野球肩のうちの半分以上はインピンジメント症候群であるといわれ、今回はその中でも最も頻度の高い肩峰下インピンジメント症候群について解説していきます。

まずは、肩の構造について、ご理解していただきたいキーワードが幾つかあります。

肩峰・烏口肩峰靭帯・腱板・上腕骨大結節・肩峰下滑液包

肩峰、烏口突起、両者を繋ぐ烏口肩峰靭帯によって形成される烏口肩峰アーチと、その直下を通過する大結節及び腱板、肩峰下滑液包によって構成される機能的関節を第2肩関節といいます。

第2肩関節の機能的特徴は、烏口肩峰アーチが大結節の上方偏位を抑制すること、腱板を上方から抑えることで骨頭の求心性を高めること、腱板に生じる摩擦を肩峰下滑液包により軽減することです。

肩峰下インピンジメントは、大結節と烏口肩峰アーチとの間におけるインピンジメントです。

肩峰下インピンジメントの要因は、上方支持組織の癒着・後下方支持組織の拘縮・肩甲骨の機能不全などが挙げられます。