野球肩 〜インピンジメント症候群〜

野球肩とは、ボールを投げる動作から投げ終わるまでに起こる肩の痛みの事です。野球以外のスポーツでも、ハンドボール、アメフト、バレーボール、テニス、槍投げ、水泳など、オーバーヘッドスポーツといわれる肩に負担のかかる動作で起こりうる症状です。

特に10〜17歳の成長期に起こりやすく、原因としては投げ過ぎなどの、同じ動作の反復による過負荷が多くの割合を占めます。

一言で野球肩と言っても、痛めた場所や原因によって、様々な診断名があります。
(インピンジメント症候群、滑液包炎、上腕二頭筋長頭腱炎、棘上筋炎、腱板損傷・断裂、SLAP損傷、肩甲上神経麻痺など)

肩は非常に複雑な構造をしており、複合関節と言われいます。色々な病態が絡んで症状が起こっている事も多くあります。なので、正確な診断名を特定することが困難である為、総称して野球肩と呼ばれる事が多いのが現状です。

野球肩の大半は、インピンジメント症候群であるといわれます。インピンジメント症候群も数種類あるので、ご紹介します。

『インピンジメント症候群』とは?
インピンジメントとは、衝突、挟み込み という言葉の意味があります。
肩の動作時に何らかの原因で、骨と骨の衝突や筋肉、軟部組織の挟み込みを起こし障害や痛み引き起こします。
症状は、投球動作などで肩を挙げた時や捻る時に引っ掛かり感や痛みを生じます。

種類は大きく分けて4つ
①肩峰下(けんぽうか)インピンジメント
(subacrominal impingement)
②烏口下(うこうか)インピンジメント
(subcoracoid impingement)
③インンターナルインピンジメント
(internal impingement)
④前上方インピンジメント
( pulley lesion)

インピンジメントの起きる場所で分類すると、

関節の外で起きる
肩峰下インピンジメント
烏口下インピンジメント

関節の内で起きる
インンターナルインピンジメント
前上方インピンジメント

それぞれについては、今後詳細に解説していきます。